驚きと幻滅

理想の家族

私は、優しい両親のもと、大人になった。
物知りで穏やかな父と、美人で茶目っ気のある母。
完璧な家族だった。
友達からもよくうらやましがられた。

「真祈のパパもママも、優しくていいな。
パパとママの仲も良さそうだし」と。

そう友達に言われた時は心の中で「その通り!」と思っていたし、
大人になってからも「私もいつか素敵な人と結婚してパパとママのような夫婦になって、子どもを育てたい」と願っていた。
パパとママのような両親が、自分の”普通”になっていた部分もある。
パパとママのような夫婦になれるに決まっている、と思っていたのだ。

ところが、だ。
あの日、私の「理想の家族」が虚像だったことを知った。
虚像とは言い過ぎかもしれないが、”普通”だと思っていた自分の両親は、
普通ではなかった。

嘘をつかれていた、そう思った。

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